2011年09月22日

彼女(アイドル)はつっこまれるのが好き!4(サイトー マサト・電撃文庫)

彼女はつっこまれるのが好き! 4 (電撃文庫 さ 13-4) [文庫] / サイトー マサト (著); アスキー・メディアワークス (刊)


――あらすじ――

 良人がひょんな切っ掛けから始めることとなった『ラジオの法則』。それは、『ぼいる・しゃるるの法則』というライトノベルがアニメ化することに伴って始まったラジオ番組で、遂にアニメ放映開始の時期が迫ってきた。
 そこで、ラジオの法則は告知番組として記念特番をやることに。
 しかもまた生放送な上に、出演者つながりでまどかが普段出演している『耳つぼマッサージ』をジャックして行うという、コラボ企画であった。
 それはただ生放送するのとは勝手が違い、アニメの宣伝をしなければならず、良人はレポーターとして放課後からまどかの仕事現場に密着し、アフレコ現場に潜入して、録音した直撃レポートを生放送中に流そうと決まった。
 その上、まどかとスタッフは何か隠し事をしているようで、あれやこれやと不安を覚える良人。
 しかし、そんな良人を応援してくれる人達も増えてきた。
 音無まどかではなく、村人Bである良人自身のサインを後輩から求められるようになったり、妹の愛好とその友達の幸春、の友達二人からラジオの話を訊かれたり。
『密着!音無まどか』レポートでは、プロのカメラマンからまどかの魅力を引き出していると褒められたり。
 アフレコ現場では声優さん達とも仲良くなり、少し浮かれた始めた良人に流星が忠告する。
 素人にしてはよくやっている。その言葉は良人に、パートナーの大切さを改めて身に染みさせる助言であった。
 そうして迎えた生放送。
 いつもと様子が違うまどかの異変に、良人は決断を迫られて――。



――感想――

 文章は良人の一人称。軽い文体が特徴のシリーズです。
 内容は意外にも、インターバルのような良人とまどかの絆(きずな)巻でした。
 主に良人の内面に焦点が当てられていて、且つまどかに対しての描写ばかりで、良い意味で主人公とヒロインだけに近い巻です。
 一応、芹沢さんが……、ああ成る程と思わせる一面を見せていましたが、周りの人物が霞んで目立たないくらい良人とまどかのことだけといった感じで、今巻で何を読ませたいか、という意図が非常に判りやすい内容となっています。
 特別面白いかと言うとそうでもなく、良い意味で普通のレベル。
 ただ、高校生の良人がラジオのパーソナリティーという特殊な立場に居られることの再確認と、ヒロインのまどかを大切にしようとする丁寧な描写は、他のライトノベルでは滅多にお目にかかれないタイプのものでしょう。
 あ、いえ、これはあくまで自分が読んでる範囲内での判断・評価なのですが、昨今では非常に珍しいストーリー進行を果たしている作品です。
 複数のヒロインに囲まれて――ではなく、もうほぼ本妻が決まっているような状態で、曲がりなりにも主人公がヒロインのことを好きだと伝えている。
 時には意地を張ったり衝突することもあれど、互いの本質を捉えて尊敬し合っている、そんな見かけだけではない主人公とヒロインの関係は稀ではないでしょうか?
 それでも、絶賛できる程の内容ではないのですが……、純粋な筋立てであることは確かです。
 普通であれば、もっとサブヒロインを絡ませて、三角関係や四角関係に発展させてストーリーを伸ばすところなのですが、更にまどか一筋に絞る今巻が、良人とまどかの言動を素直にさせて、非常に心地よい展開にさせています。
 それは何故かと言うと、他のヒロインと絡ませて解りきった尺稼ぎをしないのと、良人がまどか一筋という点が、昨今溢れかえっているフラグ立てまくりな主人公たちと比べて、実に人間味のあるキャラクターに見えるからです。
 だからと言って、人間味の無い主人公が悪いと言い切るつもりは無いのですが、鈍感を筆頭に聖人君子だったり、本来のステータスを度外視して根性で乗り切ったりと、複数のヒロインと絡ませる為の主人公はもう食傷気味ですね。ハッキリ言って反応が同じなので飽きました。
 この作品の主人公――良人にもその気が無い訳ではないのですが、どちらかと言えばまどかの主人公であり、常に『素人にしてはよくやっている』が付きまといます。
 そこが、主人公の頑張りを輝かせてくれている訳です。
 いいですか、ここまで読んでくださってくれた貴方! 自分が言いたいことは、ここからが重要ですよ!

 主人公はヒロインの魅力を映し出す鏡です!!

 大抵、どんな作品でもヒロイン達は主人公のことを好きになるでしょう。
 ですが、主人公は特定のヒロインを好きだと明言することはなく、恋を滅多にしません。
 たとえしたとしても、それは恋ではなく、ストーリーの都合上だったりします。
 複数ヒロインが登場すると、どうしてもヒロイン達が一方的に主人公を恋い慕う構図になりがちです。
 大雑把に言ってしまえばヒロイン達の存在よりも、主人公が上に見えます。
 ですが『彼女(アイドル)はつっこまれるのが好き!』は、ヒロインが二人と少なく、主人公の良人は一般の高校生という立場であり、声優のヒロイン二人に対して、常に自分を下に見ています。

 つまり、ヒロインに対する、主人公の『 度が過ぎない謙遜 』、これこそがこの作品の良さです!!

 謙遜も、度が過ぎると却って嫌味に感じますよね?
 その謙遜がラノベのような二次作品で使われると、物凄く作り物めいて見えてしまう訳です。
 そもそもラノベは作り物ですが、それでも多少のリアリティーは欲しいですからね。
 ヒロイン達が一方的に恋をしていて、主人公は誰も意識してない、となるとどうしてもお約束というか、テンプレに感じてしまうんです。
 まぁ今後、良人がもう一人のヒロイン――しぐれとフラグを立てないとは言い切れませんが、少なくとも現段階で良人はまどかのことが好きです。
 高嶺の花に対して、恋とは言い切れなくとも、異性として好きであることは間違いありません。

 今巻は、憧れの女性に対する主人公の頑張りと、淡い恋愛模様が描かれていた、と評しても過言ではないでしょう。

 ヒロインを見かけや形式だけではなく、ちゃんと尊敬して大切にしようとする主人公は素晴らしい。
 よろしいですか?
 ヒロインは確かに物語にとって大切な存在ですが、主人公あってのヒロインではないでしょうか?
 男の主人公はいらない、出てこない、そういう作品も自分は好きです。
 ――が、こういったラノベを読むなら、やっぱり主人公の気持ちが知りたいと思います。

 ヒロインに対する、主人公の考え、恋慕する気持ち。

 これが揃ってようやく恋愛要素が完成するんじゃないかと、今巻を読んで強く感じました。
 まぁ、ヒロイン達の片想いも、恋愛要素の内ではありますけどね。
 自分は同じジャンルを読み過ぎたのか、ハーレムもので引っ張られるのが飽きてきてしまったようです。
 そんな自分にとって、今巻の良人とまどかの関係は、好感が持てる作品となっていました。果たしてこの形が売れるかどうかは別として、読んで満足です。

 属性:素人が大人気声優アイドルとwebラジオ・主人公とヒロインの絆巻・ギャグ有り・何かと全裸になる主人公

 見所:良人がまどか任せだったことを痛感するシーン・最後のくだり

 キャラクターのポイント:
 まどかのことが好きで、大切にする良人
 今巻はツンとデレを適切に使い分けたまどか

 面白くなってきたページ数:147p

 どんな人にオススメ?:鈍感主人公ハーレム形式に飽き飽きしている人に
 ※ただしメインヒロインが合うか合わないかは要チェック
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2011年09月14日

六畳間の侵略者!?8(健速・HJ文庫)

六畳間の侵略者!?8 (HJ文庫) [文庫] / 健速 (著); ポコ (イラスト); ホビージャパン (刊)


――あらすじ――

 クランと共に本来の生活に戻った孝太郎は、時間旅行を二人だけの秘密にして、二月に入ると、吉祥春風高校の研修旅行でスキーをしに出かけることとなった。
 しかし、その機会を狙って、クラスメイトに扮していた藍華真希がダークネイビーとして動き出す。
 新たな杖、『ナイトウォーカー』を完成させた彼女は、一○六号室で増大した魔力について孝太郎に探りを入れるが、またも話の食い違いで勘違いしてしまい、ゆりかに嗅ぎ付けられて戦ったことで、このままでは勝てないと確信する。
 そこで真希が取った行動は、魔法の国『フォルサリア』から地球に迷い込んだ魔物を使い魔として使役することであった。
 斯くして真希は、スキー場の山頂付近にある洞穴へと足を運んだのだが、その中に引きこもっていたのは、何故か聖剣シグナルティンに怯える魔物であった。



――感想――

 晴海、早苗、ゆりか、キリハ、ティア、クラン、真希……と、またヒロインが増えて七人ですよ。
 いえ、ギャルゲヱより意外性があって面白いですし、みんなを幸せにしようとする無茶っぷりもないので、断然こっちの方がマシなんですけど……。
 よくよく思い出してみれば、著者のお二人はギャルゲー(エロゲー)のライターさんであり、ゲームクリエイターさんなんですよね。
 まぁ、ハーレムものになるのは必然だったのかもしれませんが、しかし今巻は面白かったとは言え、真希までヒロイン側に含まれるような勢いで、読んでてコレどうすんの? としか思えない話の広がり具合です。
 恐らく余裕で十五巻くらい(実際の巻数)出さないと、色々と話の収拾が付かない前途さで、その上、几帳面なくらい小学生にも伝わるような文章で綴られているので、途方に暮れるほど物語が長くなることは間違いないでしょう。
 ただし、人気が続いて完走したら、の話ですけど。
 伏線も、本当に細々(こまごま)と出しては、細々と回収しているので、相当長いスパンで考えられている作品です。
 まぁただ、ヒロイン達の殆どが孝太郎に対して恋愛感情を抱きだしているので、ハーレムものを体験している読者にとっては、ヒロイン達の態度が他のハーレムものと似たり寄ったりで退屈に感じてしまうかもしれません。
 恋愛の行き着く先なんて殆どが同じ、と言ったら乱暴ですけど、限られた恋愛パターンの中でヒロインの総数が多ければ、他の作品と被りやすくなるのは当たり前ですよね。
 恋愛過程はどれも似たようなものとすれば、そこで如何にキャラクター付けをするか、によるのですが、こうもヒロインが増えると、一人当たりに割ける紙幅の量がどんどん減っていくんですよね。
 今巻は、一応メインヒロイン達が出ているものの、真希に焦点が当てられていたので、ゆりかとティア以外はほぼ空気といって良いレベルの描写しかありませんでした。キリハさんなんかマジ空気。
 新ヒロインが追加されたことで、元いたヒロインの描写が減るのは出来れば避けてもらいたいところ。
 でも物理的に紙幅的にも無理なんですよね。
 とにかく今巻は意外性があって良かったには良かったのですが、真希まで孝太郎に好意を寄せたら、今後どうなっちゃうの? といった懸念しか覚えられません。
 ただでさえキャラが多くて、誰が喋っているのか判りにくかったシーンもあったりで(静香さんとマッケンジー)、今後の評価は厳しいものになりそうです。
 好きな作品も長く続くと、その作品の嫌なところが次第に増えていって、その許容量をオーバーすると、どうでも良くなってしまうので、自分には長い作品が合わないと今巻でよく解りました。少々、残念です。

 属性:SF、ファンタジー、なんでもありのハーレムもの

 見所:シグナルティンに怯える魔物の伏線・挿絵

 キャラクターのポイント:
 シグナルティンの力で、孝太郎の過去を見た真希
 酸と毒の攻撃を得意とする愛と勇気の魔法少女ゆりか

 面白くなってきたページ数:143p

 どんな人にオススメ?:今後、相当長く続くことを覚悟できる方に
posted by N.OF at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | HJ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月11日

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!disc8(田尾 典丈・ファミ通文庫)

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc8 (ファミ通文庫) [文庫] / 田尾 典丈 (著); 有河 サトル (イラスト); エンターブレイン (刊)


――あらすじ――

 エクセプショナルレイヤーと現実世界を統合するには、現実世界に存在しない『エターナル イノセンス』を作り上げなければならない。
 シナリオテキストはともかく原画師は本人に頼るしかなく、翔也のツテで原画師と連絡を付けた武紀であったが、一括前払いで一千万を用意しろと法外な原画料を吹っ掛けられてしまう。
 一千万を一括前払いなんて、一高校生の武紀に出せるはずがない。
 しかし武紀は、以前エクセプショナルレイヤーで会った武杉から託されたモノを思い出す。
 後は、容姿改変したカスタマーと話を付けて。
 すべてが順調に進んでいたところ、突如発生した異変。
 沙耶曰く、それはNo.0のニヒルが世界の上書き命令と停止命令を行ったせいだと言う。
 ここに来て起きた、タイミングの悪いフェアリーテールシステムのバグだろうか?
 それを確かめる為には、アカシックサーバー内に乗り込み、システムログを確認する必要が有るらしい。
 行けるのはただ一人、ニヒルの命令を受け付けない――ビジターに成り切っていない武紀のみ。
 そうしてアカシックサーバーに転送された武紀は、向こうにいた普久乃原と共にシステムログを確認しに向かったが、そこで待ち伏せていたのはなんと、電子妖精の創設者――牟田口文久であった。



――感想――

 本が出たからには需要が有るのでしょう。言いたいことは山ほど有りますが、ここまで来たら、まずは『お疲れ様でした』と労っておきます。
 色々と苦しいところが有りながらも、この七面倒くさい世界観を書き上げた根性だけはプロならではの力量であると評価できます。
 ヒロイン達を全員幸せにするという、かなり無謀な、誰もが挑戦しない主人公を描ききったのもゲームクリエイターならではでしょう。
 これは憶測ですが、主人公と添い遂げられないヒロインを誰一人として出したくない一心だったのだと思います。
 でもさすがに七人はねーよ!!
 咲、理恵、春海、夏海まではともかく、小由奈、愛子、終いには恵奈まで……、今まで色々と現実的な要素を持ち出してみんなを幸せにしてみせると言っておきながら、これだけの人数になってしまうと、さすがにどう考えてもリアリティーに欠けます。
 本編でも暎那と沙耶が言ってましたが、二人のフォローすらも武紀は拒むだろうという完璧超人にするより、いっそ力を貸してもらうくらいの方が、世界を救ったことに見合うのではないでしょうか。
 ただでさえ七人のヒロインを幸せにするという綺麗事を並べ立てたくせに、どこまでも綺麗に解決させてしまうのはどうかと。
 それがまた鮮やかなストーリー展開であれば納得もできますが、読者には解りにくい著者ルール全開で主人公無双させられても、まったく親しみが持てません
 まぁ要するに、主人公の武紀に対して「よく頑張った!」と褒めたい気持ちよりも、ご都合主義が強すぎる展開に辟易とさせられた訳です。
 だからと言って、良かったところが無かった訳でもありません。原画料に一千万、素晴らしい伏線回収劇だったと思います。
 そのくせ、その現実的な要素を、強くし過ぎた理想の主人公が霞ませてる訳です。
 とにかく、幸せにするヒロインを増やしすぎたのが失敗でしょう。二人、三人、四人くらいまでならともかく、それ以上になると、さすがにどんなやり手の主人公でも、「幸せにする」という言葉は胡散臭く、作り物めいて聞こえてしまいました。
 文章も、著者ルールの独自な世界観のせいで、殆どが説明とその確認です。
 後、一番の戦犯はシルバーブレットの外伝をやらせた元担当でしょう。
 この外伝本のせいで、本編の所々は外伝を読まないと解らない仕様になっています。その外伝が面白ければ良かったのですが、残念ながら面白かったのは一巻のみで、最後のextraも期待できないことでしょう。
 それでもまぁ、サブキャラの藤田たちが、普久乃原も含めて幸せそうにしていた点は評価したいです。
 百点満点中、四十点といったところですかね。
 プロなら読者をもっと意識して書くべきでしょう。この作品を最後まで読んでくれる人がどんな人か、よく考えてみるべきです。
 挿絵も、文章をフォローするどころか手抜きっぷりが酷く、せめて絵柄はもう少し安定させてほしいところ。このレビューの表紙と、下のレビューの表紙を見比べてみてください。
 なので、見た目も中身も、昨今のラノベとしてはあまりにもお粗末です。
 amazonのレビューだって、大してアテにならないとしても、その評価の数はちょっとした指針になると思うんですけどね。六巻以降からレビューが一つも付いてないことをよく考慮して、最後の巻はせめてマシな作品に仕上げるべきでしょう。
 残念ながら、それを最後まで確認して感想を書くほど、自分もお人好しではないので、ここまでの付き合いです。
 ありがとう、『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!』、色々な意味でありがとう。

 属性:著者の俺ルール全開な世界観・中高生には恐らく向かない・萌えないし燃えない
posted by N.OF at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ファミ通文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月14日

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!disc7(田尾 典丈・ファミ通文庫)

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc7 (ファミ通文庫) [文庫] / 田尾 典丈 (著); 有河 サトル (イラスト); エンターブレイン (刊)

――あらすじ――

 両親が存命し、愛子と恋人の世界に移動してしまった武紀。
 ヒロイン達のレイヤーにも移動できず、この世界での武紀を演じて調べていく内に、八年前の事故が起きてないことを知る。
 そして以前アカシックサーバーで出会った南雲裕悟と沙耶が接触を図ってきた御陰で、武紀はとうとうフェアリーテールシステムの真実に辿り着く。
 それはあまりにも突拍子もない現実で、武紀は重大な決断を強いられてしまうのであった。



―多少のネタバレを含む感想なのでご注意ください―

 文章は武紀の一人称で読みやすい文体です。
 内容は、まぁ納得もできるし解らなくはないのですが、解りにくい説明でした。中でも極めつけなのは、「レイヤー」のセキュリティーを「ファイアウォール」に喩えてる部分ですね。「レイヤー」のセキュリティーは『関係崩壊因子』という悪い物であり、引きこもりが完全に社会と接点を無くしてしまうような病気のような設定だと思ってください。
 ドラえもんで喩えるなら、自分の閉じた世界で強制的に石ころ帽子を被せられるようなものですね。
 その「レイヤー」のセキュリティーを突破するのが、主人公の発する『関係接続因子』というものであり、主人公の武紀がハッキング用の因子ってことかと訊いてますが、「レイヤー」のセキュリティーを「ファイアウォール」に喩えたのなら、そのセキュリティーを貫通したり破壊したりするモノと言ったら『クラッカー』や『コンピューターウイルス』になりますよね?
 つまり、
 悪いモノの『関係崩壊因子』=良いモノのはずの「ファイアウォール」ならば、
 良いモノの『関係接続因子』=悪いモノのはずの「クラッカーorコンピューターウイルス」ってことか?
 と、あべこべに感じる喩えになってしまっています。
 悪く意訳すれば、未来の技術で引きこもりオタが大量発生して忘れられる病気が発生しちゃったから、それを治癒させるワクチンの抗原をリア充オタクから採取しようって感じの話ですかね。爪の垢を煎じて飲ませてやるぜみたいな、その為に武紀達は実験台にされていた訳です。
 まぁ要するにここで、リアルを取るか二次元を取るか的なテーマにしたくて、やっぱりどっちも大事だよね、とさせたかったのだと思うのですが、今更リアルを持ってこられても正論過ぎて読んでて萎えます。
 しかもどっちを取るかで主人公が悩んだりしたら、結末は推して知るべしでしょう。
 更に犠牲を強いられそうになったキャラを武紀が提案してなんとかしたのですが、これで最終的に何事もなく解決したら駄作ですね。武紀が何らかの犠牲を強いられれば良作ですが、犠牲なくして勝利なしですよ。ここまで何事も上手くいってしまうと、どうしても物語が歪んできます。
 読者の私だって何もハッピーエンドを望んでない訳ではありませんが、ここまで独自の世界観(自分ルール)を提示されて且つ、どっちか選ばずに良いとこ取りされたら、どうしてもご都合主義が鼻についてしまいます。
 今巻で世界の構造も理解できましたし、今回も困難を乗り切ったので、今後どんな困難が訪れようともハッピーエンドは約束されたも同然でしょう。これで何かしらの犠牲や痛みが伴う終わり方なら、結構グッと来るんですけどね。
 果たして、その辺どうなるか見ものではあるのですが、自分は外伝のシルバーブレッド2巻を読んで受け付けなかったので、本編でアピールされても今後どんなに外伝を出されても、買う気は無いので残念です。
 と言った感じで、一応本編の購読は続ける気でいますが、ハッピーエンド過ぎて食傷しそうなのは勘弁願いたいところでした。

 属性:ネタバレになるので表記なし

 どんな人にオススメ?:とりあえずここまで読んで判断するべきでしょう
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2011年05月26日

六畳間の侵略者!?7.5(健速・HJ文庫)

六畳間の侵略者!? 7.5 (HJ文庫 た) [文庫] / 健速 (著); ポコ (イラスト); ホビージャパン (刊)

――あらすじ――

 超時空反発弾を両断したことで、クランと共に宇宙の外側まで弾き出されてしまった孝太郎。
 そのまま消滅するはずであったが、ある意思に助けられ、目を覚ましたところ、そこはなんと地球ではなく別の惑星、二千年前のフォルトーゼであった。
 しかも、武装した男達に取り囲まれていた晴海似の少女を助けたところ、少女はアライア・クーア・フォルトーゼと名乗った。
 それはつまり、演劇で晴海が演じていたアライア殿下本人であったのだ。
 そのアライアを、青騎士姿の孝太郎が助けてしまったので、このままでは歴史が変わってしまう。元の未来に帰れなくなる。
 慌てたクランと孝太郎は、アライアを助けつつ、本物の青騎士と合流させようと画策するのだが、どこを探しても青騎士の姿は無く、事態は思わぬ方向へと転がっていくのであった。



――感想――

 文章は丁寧すぎる三人称です。中高生がターゲットであることを念頭に置いた文章なのでしょうが、それにしてもそこまで書かなくても良いレベルの文章です。
 内容は、正直言って解りやすい展開でした。7巻の感想を書いた後に、大体先が読めてしまったので、ちょっとつまらなかったですね。安心して読める分には良いのですが、ハラハラする要素がまるで見当たりませんでした。
 何故なら、7巻の最後で孝太郎が無事に戻ってくることが解っているからですね。回想の巻なので、最終的にはネタバレしているようなものです。
 これがもし仮に、7巻の最後で、孝太郎達が消えてしまったところで終わっていたら、神回ならぬ、神の回想巻になっていたのですが、7巻の最後の描写で殆どの読者が先の展開を容易に想像できてしまったことでしょう。
 終盤の魔法人形との戦闘は、まぁまぁ、良かったのですが、宇宙の外に弾き出されて、『ある意思』に助けられた時点で、7巻の最後で孝太郎が無事に戻ってくると解っている時点で、どんなピンチに陥っても負ける気がしないレベルではなく、負けるはずがないんですよね。
 ラノベは殆どがハッピーエンドな作品なので、ただでさえ茶番なのに、『ある意思』に助けられてスーパー茶番な上に、回想の巻なので更にハイパー茶番な訳です。
 何より読んでて白けたのは、終盤の魔法人形との戦闘の前に、孝太郎とアライアの仲が親密になっていたところですね。
 孝太郎が普通の高校生ではなく、更に青騎士を演じなければならなかったのも重々承知してはいるのですが、演技以上に孝太郎が騎士然とし過ぎていて違和感。まぁ、それに近くは成長していたのでしょうけど。
 終盤で倒した敵の従騎士とも打ち解けた会話をするなど聖人君子さが鼻につきます。
 もう孝太郎は完全無欠の完璧超人ですね。
 敵側がインフレを起こさないと、対等には渡り合えないことでしょう。
 それと細かいツッコミを一つ。ゆりかの防御魔法はいつまで永続してるんだよ。今回さすがにそれはねーよと思わされました。
 今後、自分にとって残されている関心事は、キリハさんとの過去ぐらいのものですね。まぁ、どうせ台本の栞代わりにしてたカブトンガーのカードを渡すんでしょうけど。
 といった感じで不満点の多い作品でしたが、その分考えさせられる巻でもありましたので満足です。
 六畳間の争奪戦で啀み合っていた頃が懐かしい。必要悪ならぬ必要バカや、読んでいてイライラするような必要アホも不可欠なのだなと思い知らされました。
 今後この作品も含めて、物語の見方が変わりそうな気がしてます。

 属性:予定調和の回想巻・ファンタジー世界
posted by N.OF at 22:38| Comment(0) | HJ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月26日

花×華A(岩田 洋季・電撃文庫)

花×華〈2〉 (電撃文庫) [文庫] / 岩田 洋季 (著); 涼香 (イラスト); アスキーメディアワークス (刊)

――あらすじ――

 夏休み。
 知佳の提案で、黒髪島を舞台に、撮影合宿を行うことにした映像研。
 もちろん主演はダブルヒロインの花と華。
 脚本は島のエピソードを元に夕が書き上げた、ひと夏だけの恋愛モノ。
 前回の躑躅絶佳の時とは違い、台詞有りの演技にテンパる花。
 出来不出来に波はあるものの、楽しい撮影合宿になるかと思いきや。
 合宿先は蓮井先輩の親戚の宿で、実は映画部との合同合宿であった。
 お互い同じ舞台での撮影に刺激を受けた夕たちであったが、華に興味を示して合同合宿に賛成した映画部の主演である鴻池から、花はダブル主演に相応しくないと酷評を受ける。
 憤る夕たちであったが、中でも一番怒りを露わにしたのは華であって、そんな彼女の複雑な心情に気付いたのはやはり、夕と花の二人であった。



――感想――

 文章は理想的な三人称でした。キャラ描写、台詞、心情ともにパーフェクトなバランスです。きっちり三人称過ぎる一文も少しは有りましたが、活かされるべき魅力が余すところなく描写されていました。大抵どんな作品も二巻からはキャラクター描写が減るものなのですが、過多でもなく必要最低限でもなく、読者が自然と読める程度に収められているところが素晴らしい。
 恐らく、言われてみれば確かに丁寧かも、と気付くくらいの絶妙な描写加減がキャラクターを活き活きとさせているのでしょう。一巻ではそこまで感じられなかったのですが、内容が進展した分もあってか、二巻では非常に生きています。
 時々こそばゆい文体もありますが、キャラクターが活かされている意味では、最高なバランスの三人称です。台詞だけに偏っているとか突出した強みではない造形美(?)が、非常にイメージし易くて読みやすい文章となっておりました。
 ですから内容、ストーリーというよりも、キャラクターに牽引された起承転結が非常に楽しめました。ストーリー上の流れで仕方なく、ではなく、撮影するというキャラクターの能動的な姿と、ドタバタラブコメディーが最っ高に良かったです。
 主人公の夕はカメラを通して撮影すると共に、必死にヒロイン二人の姿を見ていて好印象ですし、花は何気に憎い悪友のようなポジションでありながらヒロインをしていて、終盤の方では鴻池の【転】で感情を動かした華さまがやっぱりメインヒロインなんだなと感じさせられました。
 こう、三人が三人ともお互いのことをしっかり見ている三角関係なんですよね。
 撮影という枷を填めた上で成り立っている三角関係ではありますが、だからこそ撮影という正当性が夕という主人公に活きていると思います。
 これが普通の三角関係だったら、主人公は優柔不断になるんですけどね。
 このような現状で最終的にどうなってしまうのかは想像もつきませんが、安易なキャラ萌えに走るのではなく、ちゃんとした青春撮影ストーリーになっているところが凄いです。少なくとも自分が読んできた少ない冊数の中では、ここまで青春してる作品は無かったと思います。
 一巻を読んだ時点では、気が向いたら続きを読んでもいいかな程度だったのですが、今巻では非常に唸らされる作品でした。
 特に終盤の、夕と華さまのやり取りが最高です。ぐいぐいと引き込まれ、こんなに読まされたシーンは久々か……あるいは初めてか。
 一巻を読んだ上で、最高にオススメしたい作品です。

 属性:青春・映画撮影・三角関係・ドタバタラブコメディー

 見所:ラストシーンの練習

 キャラクターのポイント:
 主人公の夕は、ヒロインの好意にあぐらを掻かず、二人の気持ちをちゃんと理解してる
 ヒロインの花は、根明で活動的でありながら、華を気遣う思慮深さを持つ
 ヒロインの華は、一番花の良き理解者でありライバルであり、それ故に悩みを抱えてる

 面白くなってきたページ数:143p

 どんな人にオススメ?:ちゃんと青春してる作品をお求めの方に是非!!
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2011年04月22日

蒼穹のカルマ7(橘 公司・富士見ファンタジア文庫)

蒼穹のカルマ7      (富士見ファンタジア文庫) [文庫] / 橘 公司 (著); 森沢 晴行 (イラスト); 富士見書房 (刊)

――あらすじ――

 恥ずかしい姿を見られた記憶を消そうとして、誤って駆真を記憶喪失にさせてしまった槙奈。
 アステナが元通りにしようとしたところ、アクシデントで更に赤ちゃんレベルまで記憶が退行してしまう駆真。
 リサに狙われている状況下での由々しき事態。
 早く駆真の記憶を取り戻さなければならない。
 地宮院姉妹の助言で神器ヴェクサシオンを使うことになったのだが、ピコピコハンマー化したヴェクサシオンを使うには神の名を手に入れなければならない。
 当然、槙奈が神の迷宮をクリアできるはずもなく。
 過去のトラウマを抉られた槙奈の姿に、嫌がらせを代償に力を発揮するヴェクサシオンは彼女を大層気に入り、使用条件を提示してくる。
 それは、槙奈が中学時代に書いた黒歴史小説を十万人に読ませること。
 そんなの無理に決まってる! かと思いきや、蒼穹園騎士団団長の草薙の力を以てすれば、不可能ではなく……。
 白雲書房のコネを駆使して、槙奈が中学時代に書きためた小説を改稿・製本した『ダークパラディン伝説』が完成してしまう。
 しかも槙奈はゴスロリ姿で、新人サイン会を開き、各メディアから取材を受けるはめに。
 もうやめたげて! ライフがゼロになってもネットで作品を叩かれ廃人と化す槙奈。
 そんな彼女の元に現れたのは、なんと!
 漆黒の全身鎧に深紅のマントを羽織った〈黒衣の聖騎士(ダークパラディン)〉ヴァリアルド・ヴァン・シュナーヴェルであった!?



――感想――

 文章は、登場人物の増加で、描写よりも台詞が優先された文体となっております。だいぶライトノベルらしい文章スタイルになってきました。
 内容は……槙奈ちゃんペロペロ。以上です……以上ですッ!!
 いや……ね、ちゃんとシリアスな場面もありましたけどね。
 何より……駆真の野郎……っ、てめぇ記憶取り戻しておきながら赤ちゃんのフリして在紗に甘えてやがってただとぉおおお!?
 はぁ〜〜……なんというか、いつもの駆真さんでした。本っっっっっ当ぉおおおにッ、いつもの駆真さんでしたッ!!
 槙奈、お前は今泣いていい! 泣いていいんだ!
 なんだろう……この、上手い構成なのに、腑に落ちない一件落着の形。
 正直、序盤は読むのかったるかったです。
 中盤からシリアスが入り始めて、ダークパラディンに笑って、つかコレ、絶対アレのレビューを参考にされましたでしょう!? 的な内容に腹がよじれました。
 終盤はもう、なんて言ったらいいのか、褒めたい半分、脱力半分といったところ。
 誘性物質の抑制法の話はどこへ行ってしまったのか? リサが探してきてくれるのか、今後の展開はもう、温かい目で見守ることにします。
 在紗の為ならどんなに迷惑かけたっていいじゃない かるま
 改めて、在紗LOVEな駆真の身勝手さを思い知らされる作品でした。

 属性:槙奈の黒歴史ノート全力全開・ギャグ小説

 見所:使用可能となったヴェクサシオンの使い道

 キャラクターのポイント:相変わらずカワイソスな扱いの槙奈ちゃんペロペロ
 
 面白くなってきたページ数:95p

 どんな人にオススメ?:不遇な扱いを受けるキャラクターを愛でたい人に
posted by N.OF at 23:34| Comment(0) | 富士見ファンタジア文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月15日

七花、時跳び! Time-Travel at the After School(久住四季・電撃文庫)

七花、時跳び!―Time‐Travel at the After School (電撃文庫) [文庫] / 久住 四季 (著); 明星 かがよ (イラスト); アスキーメディアワークス (刊)

――あらすじ――

 未来研の新入部員を獲得する為に勧誘のチラシ配りをしていた三年生の柊。
 その最中、上の階段から降ってきたのは後輩の二年生である七花。
 チラシを踏んづけ、階段から足を滑らせた彼女は、昨日、柊から聞いた話を思い出して、
『これが昨日だったら先輩に受け止めてもらえるのに』
 と、『昨 日 に』落ちてきたという。
 つまりタイムトラベルしたという七花の言葉に、論より証拠。
 十五分前の過去に連れて行ってもらうと、そこにはもう一人の――十五分前の柊が存在していた。
 そうして、ひょんなことからタイムリープできるようになってしまった七花後輩に喜ぶ柊先輩。
 一年前に盗まれたDVDを取りに行ったり、消えた先生のケーキを開店前に買いに行ったり。
 かと思えば三年後の年末に跳ばされてしまった柊。
 そこで彼が出会ったのはなんと、柊先輩にラブラブな三年後の七花後輩であった。



――感想――

 文章は柊の一人称。サクサク読める作品に比べると、普通の読みやすさですね。
 内容は、後輩のスカートをめくっただけでフラグ建てちゃった主人公が凄いです。でもバカップルは死刑な!! といったところ。
 いやぁもうなんていうか……三年後の七花さんがヤバイのなんのって、お気楽タイムリープものならでは! って感じでしたね。
 やんちゃな性格の柊によるタイムリープなコメディーと、好きな先輩に振り回される七花のラブで、タイムリープ・ラブコメディーとなっておりました。
 う〜ん、いやはや、先輩後輩カップルは素晴らしいねぇ!! 是非ともシリーズを通して読みたいと思わせてくれる作品でした。ですので、ガンダムネタには目をつぶります。

 属性:先輩後輩のお気楽タイムリープもの・主要人物はたったの五人!・それでいて二人きりのシーンばかり・何このバカップル、殴ってもいい?

 見所:三年後にタイムリープ

 キャラクターのポイント:
 ムードメーカーの柊ならやってくれる!
 それに振り回される七花が後輩後輩してて可愛い!

 面白くなってきたページ数:57p

 どんな人にオススメ?:バカップルの主人公とヒロインに、ニヤニヤしたい人に是非!!
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彼女(アイドル)はつっこまれるのが好き!3(サイトー マサト・電撃文庫)

彼女はつっこまれるのが好き! 3 (電撃文庫) [文庫] / サイトーマサト (著); 魚 (イラスト); アスキー・メディアワークス (刊)

――あらすじ――

 後一週間もすれば6月6日、音無まどかの誕生日。
 良人は、世間様にはあまり意識してませんよと装いつつ、彼女に何をプレゼントしたものかと思い悩む。
 妹の愛好や、その友達でもあり音無まどかのファンでもある幸春とプレゼントを選んでみるものの、大人気声優アイドルにプレゼントして喜ばれそうなものは見つからない。
 さてどうしたものかと悩み続ける良人の耳に飛び込んできたのは、帰りのHRで和田先生から告知された市のスポーツ大会。
 開催日は6月6日。しかも優勝賞品は、この夏オープンするウォーターランドの招待券。
 これしかないと高見沢たちに声をかけた良人だったが、彼には他にも思惑があった。
 大人気声優アイドルとして、孤高に生きている音無まどか。
 しかし彼女は学校生活においてもアイドルとしての姿を崩さない、否、崩せない。
 普段のまどかだって物凄く魅力的なのに、みんなそれを解ってない。アイドルでいなくたって、みんな彼女のことを好きになるに違いない。
 その為にはどうしたら良いか、良人はマネージャーの優花に声をかけて、まどかをスポーツ大会へ秘密裏に誘い込むのであった。



――感想――

 文章は良人の一人称。軽い文体でサクサク読めます。それでいながら描写が物足りなくなる場面がありません。それ以上にキャラクター同士の掛け合いが楽しく読めるので、他はあまり気にならないといったところですかね。
 内容は、良人くんマジ主人公の巻き。前巻では、なんであんな勝負を受けるかなぁと思わせられましたが、今巻はビックリするくらいアグレッシブ。
 誕生日プレゼントを模索する立ち回りと、終始常に一緒ではないアイドルとの距離感が絶妙に描かれています。ヒロインのまどかが大人気声優アイドルだからこそ、誕生日プレゼントを秘密裏に用意しようとする良人の行動が、今巻ではより一層映える形に描写されていました。
 普段ならヒロインの出番すくねーよと思うところが素晴らしいくらい上手に活かされております。
 しかも主人公の良人が攻める攻める。いやぁ、やっぱりこれくらい主人公がヒロインを想ってくれてる方が読み応えありますね。
 鈍感主人公にヒロイン達が空回りする心理描写は、著者の技量が高くないと陳腐でつまらないものが多いですから、こういう主人公が攻めていく本来のパターンは読んでいて気持ちがいいです。
 なんていうか、主人公の頑張りによって、段々ヒロインの気持ちが主人公に傾いていく過程がいいんですよね。
 昨今の、初めから好感度MAXも悪くはありませんが、素人の主人公が高嶺の花に手を伸ばしていく青春ラブコメディーも充分楽しめると思います。
 ただ一点、問題があるとすれば、主人公が好きなヒロインが、読者にとって好みかそうでないかで大きく評価が左右されるというデメリットもあります。
 たまたま主人公の良人と、ヒロインのまどかが、読み手の自分に、良主人公・良ヒロインに映っているからであって、この組み合わせが必ずしも、この感想を読んでくれている貴方にも合うとは限らない訳です。
 ですから、鈍感主人公に、様々な属性を備えたヒロイン達が登場するハーレム形式にした方が、万人受けしやすい訳なんですよね。それも下手すると非常につまらない作品になりますが。
 そういったデメリット回避を狙った作品が溢れる中で、主人公がメインヒロインに一点集中という形は非常に珍しくもあり、貴重な作品でもあると思えます。
 二巻では、ちょーっとどうかな〜……と思っていましたが、今巻では非常に巻き返しを図ってくれてますので、是非まだ読まれてない方には一巻からオススメ致します。

 属性:素人が大人気声優アイドルとwebラジオ・主人公の奮闘巻

 見所:スポーツ大会当日、まどかのからかいに、良人が引かずに押したところ

 キャラクターのポイント:
 主人公・良人の慧眼と、まどかに対する頑張り
 それに対するヒロイン・まどかの反応

 面白くなってきたページ数:20p

 どんな人にオススメ?:鈍感主人公ハーレム形式に飽き飽きしている人に
 ※ただしメインヒロインが合うか合わないかは要チェック
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2011年03月31日

ゆうれいなんか見えない!(むらさきゆきや・GA文庫)

ゆうれいなんか見えない! (GA文庫) [文庫] / むらさき ゆきや (著); むにゅう (イラスト); ソフトバンククリエイティブ (刊)

――あらすじ――

 幽霊――妖(およずれ)が見えてしまうがために、暗黒の中学時代を過ごさざるを得なかった調 敦志。
 故に、中学時代の同級生たちと離れたくて、実家から遠い水森学園に進学した彼は、普通の高校生活を渇望していた。
 しかし、妖たちの方は敦志を放っておかなくて、入学式、新天地でも妖に絡まれていた彼に声をかけたのは、小学部の少女であった。
 彼女の名は鞍馬 依。水森学園で変人扱いされている、有名人であった。
 そしてなんと彼女は、敦志と同じモノが見えていて、且つ、祓い清める力を持っていた。
 退魔師である依に、何度も助けられる敦志。
 それでも敦志は、幽霊なんか見えない、普通の高校生活が送りたくて、クラスメイト達から変な目で見られたくない一心で、心苦しくも自分を助けてくれた彼女を避けてしまう。
 だが、幽霊の見える敦志の瞳は『鬼ノ眼』と呼ばれ、妖たちから狙われてしまう羽目に陥り。
 敦志も、彼に初めて感謝された依も、互いのことを放っておけなくて、次第に惹かれ合っていく。
 ただ、人前では普通にしててほしい、という敦志のお願いは、依の行動を制限する言葉となってしまって……――。



――感想――

 文章は敦志の一人称に近い三人称で、読みやすい文体です。
 内容は、ここ最近読んだ中ではトップクラスの読み応えでした。
 しかしまさかタイトルを全否定する展開になるとはビックリ。
 シュリンクで中身が確認できない書店で購入したので、表紙や裏表紙のあらすじから軽い展開を予想していたら意外とガチでビックリ。
 しまった、よく表紙見なかったけど、もしかして紳士ご用達だったか!? と思っていたら本当に別の意味で、紳士ご用達でビックリ。
 まぁ、何せ小学生ヒロインである依の扱い方が上手です。卑怯なくらい。
「――わたしたち、遊びじゃありませんからっ!」
 には盛大に吹きました。
 同じ小学生ヒロイン達が五人もいるロウきゅーぶと同等か、
はたまたそれ以上の正当性。
 建前良し、ストーリー展開良し、主人公とヒロインの距離感良し、何より敦志が主人公してて最高なんですよ! これだけ建前を用意したなら、最後にあのくらいやらないと男じゃないですよね!!
 しかも劇中では、相手は小学生だから……、他人の許嫁なのに……、と敦志が葛藤に似た形で煩悶しつつ、依は依で小学生故に、初めて自分に感謝してくれたお兄さん故に、敦志に惚れている図式がたまりません。
 これぞ、小学生ヒロインだって許される!
完璧な(設定)理論武装!

 アグネスなんか怖くない、素晴らしい、それはもう素晴らしい作品でした。
 読み終わる頃には二人を冷やかしてやりたくなるくらい、爽快な物語です。
 微笑ましい小学生ヒロインと、それに葛藤しつつもちゃんと応えた主人公の作品を、
是非手にとって読んでみてください。

 属性:ライト和風伝奇モノ・小学生ヒロイン×高校生主人公・来いよアグネス

 見所:タイトル全否定

 キャラクターのポイント:
 模範的な主人公の敦志。読んでいて気持ちの良い言動です。
 微笑ましさが武器の依。小学生だし、まさかなーと思っていると……。
 悪友の鑑すぎる藤岡智久が憎い程イイ奴!
 嫌味な奴だけど依には弱い鞍馬雹一郎。こういう人もいないと物語は成り立ちませんね。

 面白くなってきたページ数:37p

 どんな人にオススメ?:小学生ヒロインと高校生主人公が活躍する、
紳士ご用達ラノベをお求めの方に是非!!
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2011年03月22日

H+PB―ひめぱら―(風見 周・富士見ファンタジア文庫)

H+P(3)  ―ひめぱら― (富士見ファンタジア文庫) [文庫] / 風見 周 (著); ひなた 睦月 (イラスト); 富士見書房 (刊)

――あらすじ――

 年に一度の五美姫の身体測定に無理やり女装させられて忍び込まされた恭太郎。
 ひょんなことから女装がバレてしまい、下着泥棒の罪まで着せられて、冤罪を晴らそうと奔走する。
 一方、サンキスタの祝祭……所謂バレンタインデーを前にして悩んでいたのは第四王女のアルト。彼女は望まれない出生ゆえに魔力が低く、姉妹たちに大きなコンプレックスを抱いていて、それならばと姉妹の真似をして恭太郎に近づこうとするも失敗ばかり。
 自己嫌悪に陥ったアルトは、恭太郎以外にも皆から好かれようと、キュアナから持ち帰った誘惑の聖杯を王城の水道ポンプに仕掛けてしまい。
 水道水は次から次へと媚薬に変わり、城中の女官たちに行き渡ることに。
 それは媚薬を経験したことがないユフィナたちにも影響を及ぼして……。



――感想――

 文章は軽めの三人称です。最近のラノベに比べて薄いのでサクッと読めます。
 内容は、魔導アーマーもとい魔導スーツが出てきてビックリ。アルトの出生が望まれた形ではないというのも、ちょっとしたスパイスで良いですね。魔力が低いのにはそれ相応の理由があると。
 他はまぁ、いつも通りというかなんというか、このシリーズもある意味安心して読めている作品ではありますので、まだ購読は続けようと思っています。

 属性:約五人のお姫様から迫られるハーレムもの

 見所:城中の女性から迫られる展開(よく考えつくと思います)

 キャラクターのポイント:魔力が低い出生理由を持つアルト

 面白くなってきたページ数:25p

 どんな人にオススメ?:一線は越えないけどエロいラノベをお求めの方に
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2011年03月19日

バカとテストと召喚獣9(井上 堅二・ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣9 (ファミ通文庫) [文庫] / 井上 堅二 (著); 葉賀 ユイ (イラスト); エンターブレイン (刊)

――あらすじ――

 Cクラスの策略にまんまとはまり、手を替え品を替え消耗した点数を補充しつつ科目を切り替え、籠城するFクラスの面々。
 一方、朝方に瑞希からチュウされてほうけていた明久は遅刻して登校。
 そして偶然にも空き教室で小山と小暮の悪巧みを立ち聞きした明久は、Aクラスに匿われつつ、外からFクラスを支援することに。
 目下の問題は、BクラスがAクラスに試召戦争を仕掛けることで、立ち会う教師の教科が絞られることによって、Fクラスの科目切り替え籠城ができなくなってしまうことであった。
 そこで明久はBクラス代表の根本とCクラス代表の小山を会わせないように裏工作するものの、なかなか思った通りにはいかず、更にCクラスは卑劣な手段で瑞希を陥れようとしていた……。



――感想――

 文章は雄二と明久の一人称。軽い文体が特徴的ですね。
 内容は、やっぱり最後の突撃が良かったですね。敵の意表を突いたやり口が読んでて爽快でした。
 しかし、またリンネという新キャラが登場するは、小暮の後ろで誰かが糸を引いていたような……、瑞希の個性的な両親まで登場するはで……、まぁ、これだけ登場人物が多くても、ゴチャゴチャせずに読み分け…………、Aクラスのメンバーと明久が話してた時は、ちょっと誰が喋っているのか解りにくかったような、そうでもないような……。
 まぁ、なんだかんだで安心して読めるシリーズものではあるので、この分ならしばらく安泰でしょう。若干マンネリ化は否めませんが、許容範囲内ですし。
 明久と瑞希の関係が進展するかと思ったらそんなことは無かったんだぜ、でしたが、これもバカテスならではですね、程々に満足でした。

 属性:ルールや戦法を楽しむラノベ?

 見所:最後の補充試験

 面白くなってきたページ数:28p

 どんな人にオススメ?:1巻読んで受け付けた人にだけオススメします
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2011年02月21日

とある飛空士への恋歌5(犬村 小六・ガガガ文庫)

とある飛空士への恋歌 5 (ガガガ文庫) [文庫] / 犬村 小六 (著); 森沢 晴行 (イラスト); 小学館 (刊)

――あらすじ――

 外務長アメリアの交渉によって、聖泉の通行許可と引き替えに、空の一族の王位継承者と風呼びの少女クレアを人質交換するまでに取り付けたイスラ。
 彼女を連れて逃げ出すなんて現実的ではないと、近衛兵のイグナシオに頼み込み、クレアと別れを告げたアルバス兄妹。
 しかしこれはひとときの別れ。
 カルエルはクレアと大事な約束を交わして。
 カール・ラ・イールであると、遂に自分の正体を明かす。第一皇子の名を使って、ニナ・ヴィエントを――クレアを取り戻すために。
 そうして飛空士の訓練に励みながら、イスラはとうとう空の果てに辿り着く。
 そこは想像を絶する、すべてを塵に帰す世界の果てであった。

 属性:ファンタジーな世界観・空飛ぶ島イスラと飛空士・ハッピーエンドなロミジュリ・報われない幼なじみの恋歌

 見所:カルエルの演説

 キャラクターのポイント:何かと皇子に好かれた、最高の義妹(幼なじみの)アリエル
 
 面白くなってきたページ数:43p

 どんな人にオススメ?:程々の巻数で、ちゃんと完結したシリーズ作品をお求めの方に

――ネタバレ感想――
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六畳間の侵略者!?7(健速・HJ文庫)

六畳間の侵略者!?〈7〉 (HJ文庫) [文庫] / 健速 (著); ポコ (イラスト); ホビージャパン (刊)

――あらすじ――

 クリスマスを目前に控えた冬休み。
 ケーキの宣伝ビラ配りのバイトを増やしていた孝太郎は、彼女が出来てクリスマス資金を貯めているのではないかと周りから勘繰られてしまう。
 しかし蓋を開けてみれば、彼が貯めていた資金は、秘密裏に準備していた『演劇部壮行会』とクリスマスパーティーのためのモノであった。
 その過程で晴海と仲を深めた孝太郎であったが、ルースからティアに仕えてほしいと本気で頼み込まれてしまい、六畳間のみんなすべてに良くしてあげたいと思い悩み始める。
 一方、一月の公演に向けて『白銀の姫と青き騎士 第二章』の練習を重ねるにつれて、ティアの想いも積み重なっていく。
 孝太郎の存在は憧れの青騎士すら上回るものとなり、ティアと晴海は互いの存在を羨み、思いを募らせる。
 そうしてお互いをよく理解し合って、公演を成功させようと奮闘する孝太郎たちであったが、そんな彼を始末しようと、再び第二皇女クランの影が忍び寄っていた。



――感想――

 文章は丁寧な三人称。もうだいぶ読み慣れたのか、バカ丁寧さは覚えませんでした。
 内容は結構動きがあって、晴海先輩が少し積極的になったことでイメージが変わりましたかね……、アライアの時もあるので、キャラが若干ブレているように見えてしまうかもしれません。孝太郎もそうですけど、親密になっていく過程で性格が変わっていくのは当たり前なのですが、ちょっとしっくり来ませんでした。
(あれ、こんな感じになるのか?)という違和感と、なんとなく二人の台詞から書き手の手探り感が伝わってきたような錯覚を覚えました。まぁこれは恐らく自分の気のせいだと思いますが。
 それよりも、今巻はティア主体の構成となっていたことに驚かされました。いつの間にか、ティアの成長物語的な雰囲気の流れになっていて、他のヒロインが霞みまくってます。
 まぁ『白銀の姫と青き騎士 第二章』をやるという時点で、メインが誰になるか決まり切ってはいるんですけどね。
 しかも終盤では超時空反発弾とか、ゴタゴタしまくって、今後一体どうなるんだ? と心底思わせられました。
 よって、今まで安定して読めていた分、色々と戸惑う巻でしたね。今後が少し心配です。
 それとイラストも様変わりしました。キリハさんマジ巨乳化。前の方が良くて残念です。

 属性:幽霊・魔法少女・地底人・異星人とのハーレムロマンスにシフト中?

 見所:最後の最後で急展開

 キャラクターのポイント:
 もうすっかりアライア皇女殿下に戻りかけてる(?)晴海先輩
 皇女としての使命と、未だ把握できない感情に揺れるティアがめっちゃヒロイン

 面白くなってきたページ数:102p

 どんな人にオススメ?:主人公とヒロイン達の関係に動きのある作品をお求めの方に
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2011年02月19日

ギャルゲーマスター椎名2(周防 ツカサ・電撃文庫)

ギャルゲーマスター椎名(2) (電撃文庫) [文庫] / 周防 ツカサ (著); 彩季 なお (イラスト); アスキー・メディアワークス (刊)

――あらすじ――

 ゲームコンテストで『期待賞』を獲得したG研。
 しかし『漆黒ラバー』というビッグタイトルをプレイして感化された京子が、
「私たちが作ったギャルゲーは究極のギャルゲーではありませんでした!」
 と、にわかに騒ぎ立てて始まった夏休みでのミーティング。
 二大ビッグタイトルを超えるギャルゲーを生み出そうと張り切る彼女であったが、容易に妙案が思いつくはずもなく、最下位は罰ゲームのポイント制を導入。
 そうして仕方なく雄介もアイディアを捻り出したが、京子とカオルのグルによって、海で罰ゲームを受けるはめに。
 その罰ゲームとはなんと、海でナンパして選択肢を選ぶ『リアルギャルゲー』であった。
 しかし、それでも何故か、とんでもない選択肢から当たりを引き続ける雄介は、対戦型ギャルゲーの『School Revolution』でも負け知らず。
 そんな彼でも『漆黒ラバー』の感想文は十五点で、その腐った根性を叩き直すという名目で敢行された地獄のギャルゲー合宿。
 そこで京子は、雄介の発言から究極のギャルゲーに繋がるヒントを得たのだが……。
 合宿から一週間後、雄介を待ち受けていたのは、ギャルゲー攻略サイトを運営する『ましゅろん』とのゲーム対決であった。
 どちらがギャルゲーマスターの称号に相応しいか、勝負をするはめになった雄介であったのだが、『School Revolution』では負け知らずの彼であっても、ましゅろん相手では歯が立たず、惨敗を喫してしまい……――。



――感想――

 文章は雄介の一人称で、殆ど台詞ばかりの文体となっております。ただ、極力無駄な描写を省いた形で、必要不可欠な部分はちゃんと描写されていて、手抜き感は覚えませんでした。
 内容は結構ハチャメチャだったり意外な展開だったりで飽きることなく楽しんで読めました。勝負に負けて落ち込む主人公を励ましにやってきたヒロイン達のポイントも高いです。
 後は、ちゃんとギャルゲーマスターらしかったところですね。タイトルに偽り無し。ましゅろんとの対決内容と問題解決の糸口は、結構(おおっ)と思わせられるはずです……、ギャルゲーをプレイしたことがある人ならば、ですけどね。
 こうして総合的に見ると一巻よりも良かったことに驚きましたが、あとがきを読んで納得。さすがプロの本気は凄いなぁとしみじみ思わせられました。筆者の必死さが伝わってくる良い作品です。まだ読んでない方は是非、ご賞味ください。
 それとイラストについては、前巻に比べると、だいぶ見られるクオリティーになっていました。その点についても問題ない作品に仕上がっております。

 属性:ヒロイン達とのギャルゲー部活

 見所:聖華ルートに入る方法

 キャラクターのポイント:落ち込む雄介を励ましに来た陽香理とカオル

 面白くなってきたページ数:15p

 どんな人にオススメ?:ギャルゲーのあるある話を楽しみたい方に是非
posted by N.OF at 21:27| Comment(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月18日

六畳間の侵略者!?6(健速・HJ文庫)

六畳間の侵略者!?6 (HJ文庫) [文庫] / 健速 (著); ポコ (イラスト); ホビージャパン (刊)

――あらすじ――

 孝太郎たちが何気なく日々を過ごしていく中、さり気なく地底の仲間と共に地上の侵略を着々と進めていたキリハは、公民館で地域の清掃ボランティアに参加していた。
 キリハ曰く、地底人が危険な軍事組織であると思われると侵略が長期化して、その間に地底人が滅びかねないという。
 故に力で抑え込むのではなく、地上の人々との融和を推し進めるキリハであったが、地底人の中にも武力を以て地上を制圧しようという急進派が存在し、地上侵略の指揮を任されている彼女はしばらくの間、忙しそうにしていた。
 そんなある日、孝太郎たちが頼まれたのは、地域密着型ご当地ヒーローショーの助っ人であった。
 孝太郎は編み物研究会で晴海にも配役を頼み込み、そうして春風幼稚園の創立記念日に開催されたヒーローショーであったのだが、そこに突如乱入したのは太陽部隊サンレンジャーと名乗るヒーロー戦隊であった。
 彼らはなんと政府によって設立された地底人対策部隊で、キリハの地底人反応を感知して現れたのだが、スーツの色が全員レッドというふざけたナリにぶちギレた孝太郎からダメ出しを喰らい、ヒーローショーの最中というのもあって、なんだかんだと事無きを得たキリハ。
 しかし、その後も度々顔を合わせることになるサンレンジャーに、彼女は疑問を抱き始める。
 なぜ彼らが地底人の反応を感知できるのか? それには地上に姿を現し始めていた急進派が関わっていた。
 一方、地域の住民や幼稚園児からも信頼されているキリハの姿を見て、孝太郎は問いかける。最初から地上を侵略する気なんて無かったのではないかと。
 そう尋ねられたキリハは、とうとうバレてしまったかと孝太郎を想い出の地に誘う。地上を武力で制圧できない大切な理由を語るために。



――感想――

 文章は丁寧な三人称。誰が何をどう考えたか一々描写されているので、齟齬なく読めます。
 内容は、少し物足りなかったですね。予め用意していた設定では、キリハさんの話を膨らませにくかったのかなと、読んでいてそう感じました。
 ぶっちゃけサンレンジャーの身内話なんて要らないんですよ。キリハさんと孝太郎がキャッキャウフフしてるシーンさえ読めれば充分なんです。サンレンジャーなんて、3巻のゴーストハンターぐらいの扱いでいいんですよ。一々名前が出てきたところで憶えられませんしね。まるで活躍もしませんでしたし、サンレンジャーはいいからキリハさんの話を読ませろ! って思いました。
 こうしてみると、ティアの巻が一番でしたね。
 ティア>ゆりか>早苗>キリハの順番ですかね。
 まぁ、キリハさんの問題がちょっと地味だったせいかもしれません。
 しかし十年前に会った少年とは一体誰なんですかね? どういう展開になっていくのか、今後が気になりました。

 属性:幽霊・魔法少女・地底人・異星人・一般人なんでもありのドタバタ(ラブ?)コメディー・段々ハーレムものに

 見所:甲虫王者カブトンガー、ヒーローショー。でもこのネタは正直引っ張り過ぎだと思います

 キャラクターのポイント:
 晴海先輩も一緒にヒーローショーに出ましょう → いきなり言われても困ります!
 悪役の孝太郎にさらわれてキャーキャー叫ぶ役です → なんだか面白そう!
 そういう役柄だったら絶対に喜ぶだろうなと思っていたら案の定
 孝太郎が扮した悪魔男爵の「この可愛い子は俺の嫁にする!」という台詞でも、すげー嬉しそうな晴海先輩が素晴らしかったです

 面白くなってきたページ数:85p

 どんな人にオススメ?:侵略者であるはずのヒロイン達が逆に攻略されていき、半ばハーレム化し始めている状況を楽しみたい人に
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2011年02月14日

六畳間の侵略者!?5(健速・HJ文庫)

六畳間の侵略者!?5 (HJ文庫) [文庫] / 健速 (著); ポコ (イラスト); ホビージャパン (刊)

――あらすじ――

 晴海から相談を受け、少女漫画で得た知識を以てして晴海と孝太郎をくっつけようと考えていたゆりか。
 そんな矢先、六畳間の魔力溜まりを偵察に現れたのは、転入生の藍華真希。『魔法の国フォルサリア』の現体制を転覆させんとする組織、ダークネスレインボゥの幹部であった。
 ようやく敵が現れたと歓喜したゆりかであったが、真希が悪の魔法少女であると六畳間のみんなは誰一人として信じてくれず、ショックを受けて打ち拉がれる。
 だが、それでも彼女は晴海に励まされ、自分が六畳間を守るのだと、単身、真希との一騎打ちに臨む。
 激しい魔法戦が繰り広げられる最中、そこに現れたのは、ゆりかが授業をサボっていると思い込んで連れ戻しに来た孝太郎と早苗であった。
 しかし、真希が晴海を人質として連れ出すと、状況は一変する。
 そうして二人が本当に魔法少女だと孝太郎が気付いた時には既に遅く、ゆりかは晴海を庇って致命傷を負ってしまう。
 しかも偵察の過程で相当のやり手であると孝太郎のことを勘違いした真希が、容赦なく襲いかかってくる。晴海まで巻き込んでの、絶体絶命のピンチ。
 どうして半年以上もゆりかのことを信じてやらなかったのか、自分を責め悔いる孝太郎。そんな彼を救ったのは、なんと……――。

 属性:幽霊・魔法少女・地底人・異星人・一般人なんでもありのドタバタコメディー

 見所:孝太郎がゆりかを魔法少女と認めたシーン

 キャラクターのポイント:
 ゆりかを励まして道を示してくれた晴海先輩
 ゆりかを信じなかったのには訳があった孝太郎
 ただのクラスメイトで、居候の女の子でもいいと思えたゆりか
 
 面白くなってきたページ数:16p

 どんな人にオススメ?:正体を知られた魔法少女が報われる姿を拝みたい人に

――ネタバレ感想――
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2011年02月12日

蒼穹のカルマ6(橘 公司・富士見ファンタジア文庫)

蒼穹のカルマ6 (富士見ファンタジア文庫) [文庫] / 橘 公司 (著); 森沢 晴行 (イラスト); 富士見書房 (刊)

――あらすじ――

 駆真が死んでしまった五年後の未来からやってきたという『リサ』。眼帯を付けた五年後の在紗は騎士団に所属し、時の神の称号を得て駆真を助けるために時間を遡ってきたのだった。
 しかし駆真はリサの裸を見てしまったがために鼻血ブーして死んでしまう。
 そして駆真を失った在紗がまた、今度は白衣と眼鏡姿の『主任』となって過去に遡ってくると、なんでも今の駆真には弱体化の呪いがかけられていることが解る。それは過度に興奮しただけでも死んでしまう類のもので、近くで呪いをかけている犯人『アンノウン』を誘き出そうと在紗の水着を買いに出かけたところ、またも駆真は思わぬハプニングで鼻血ブーして死んでしまう。
 そんな並行世界を五回ほど繰り返したところで、未来からやってきたのは五回駆真が死亡したパターンを熟知した『ラビ』と名乗るツインテールの在紗であった。
 彼女が言うには、夕方に夏祭りへ出かけてほしいとのことだったが、そこでもまたアンノウンが現れて……――。



――感想――

 文章は三人称。内容が内容で、いつになく軽い文体でした。
 内容は、誘性物質の抑制法を見つける話はひとまず置いとくことになったのか、随分とまたややこしい展開になってまいりました。まぁ誘性物質の抑制法が簡単に見つかっては話にならないので、並行世界の在紗絡みになるんでしょうけど、今巻はその前振り(?)みたいな感じの内容でした。しかもプチ・タイムリープものと来ましたよ。最後の方まで読んで、(あ、今回そういう話だったんだ……)とギャグだと思っていたら感心させられる形式となっておりました。
 しかしまぁ、なんと言いましょうか……、今度は並行世界まで出してここまでするとは、色々な意味でぶっ飛んでますね、さすが蒼穹のカルマ。今後どうなっていくのか、ますます楽しm…………若干、ぶっ飛び過ぎてて話を追うのに脳が疲れてきた感はありますが、まだ今のところは楽しみです。少しだけ在紗の使われ方と駆真の行動パターンにくどさを覚えてきました。

 属性:駆真が鼻血ブーして死亡・未来から来た在紗・並行世界の概念投入・タイムリープもの

 見所:解りやすいもののアンノウンの正体

 キャラクターのポイント:相変わらずカワイソスな扱いの槙奈さん
 
 面白くなってきたページ数:19p

 どんな人にオススメ?:シリーズものなので初めから読みましょう
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2011年01月28日

六畳間の侵略者!?4(健速・HJ文庫)

六畳間の侵略者!?4 (HJ文庫) [文庫] / 健速 (著); ポコ (イラスト); ホビージャパン (刊)

――あらすじ――

 文化祭の上演に向けて、舞台監督のお気に召す脚本が見つからず、困っていた演劇部のマッケンジー。
 彼が脚本の募集ポスターを張り付けていたところに通りかかった孝太郎は、文学に程遠いと馬鹿にされて一念発起、六畳間の侵略者たちにも畳ポイントまで進呈して協力を要請。
 そうして見事、脚本に抜擢されたのは、ティアが独自の解釈を加えた『白銀の姫と青き騎士』の物語であった。
 そのくだりで青騎士に並々ならぬ想いがあったティアはそのまま協力を申し出て、孝太郎たちも人手の少ない演劇部を手伝うことに。
 しかし肝心の『白銀の姫』役が決まらなくて難儀していたところ、舞台監督は演劇部を手伝いに来た晴海を抜擢する。
 もちろん演技したこともなければ姫の気持ちも解らない晴海であったが、孝太郎と練習している時はいつも真に迫っているので、その都合上『青騎士』の役目は大道具だった孝太郎に急遽変更。
 ならば黙ってはおられまいと、彼を立派な騎士に育て上げようと張り切るティアだったが、彼女にはクランという第二皇女の魔の手が忍び寄っていたのであった。



――感想――

 文章は三人称です。キャラクターの機微まで丁寧に描写されています。
 内容は相変わらず晴海先輩がヒロイン体質でニヤニヤ、ヘラクレスなんか預かってくるゆりかにクスクス、早苗は愛くるしくて、ティアが超可愛かったです。何コレってくらい。
 今まで徐々に積み重なってきた好感と専用イベントが相まって本っっっっ当おおおおに素晴らしかったです。
 クライマックスは早苗の時よりもちょっと足りませんでしたが、孝太郎がティアを助けた口絵にもなっているシーンは最高でしたね。
 孝太郎も孝太郎で初めはあんな態度だったのに、ホントいい主人公してます。
 ちなみに一番の笑い所はルースさんが取ってくれました、満足です。

 属性:幽霊・魔法少女・地底人・異星人・一般人なんでもありのドタバタコメディー

 見所:「………お怪我はございませんか、皇女殿下」

 キャラクターのポイント:
 青騎士役が孝太郎だと演技できる晴海先輩
 孝太郎に青騎士の姿が重なって戸惑うティア
 ゆりかが預かってきたヘラクレスに、半狂乱になるルースさん
 
 面白くなってきたページ数:30p

 どんな人にオススメ?:ドタバタコメディーをお求めの人に
posted by N.OF at 01:12| Comment(0) | HJ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

蒼穹のカルマ5(橘 公司・富士見ファンタジア文庫)

蒼穹のカルマ5 (富士見ファンタジア文庫) [文庫] / 橘 公司 (著); 森沢 晴行 (イラスト); 富士見書房 (刊)

――あらすじ――

 義姉である鷹崎冬香に在紗を連れて行かれ、なんとしてでも連れ帰ると決めた駆真は、魔王に頼んで在紗と魂を入れ替えてもらうことに。
 一方在紗は、実母である冬香から、自分たちがここにいると空獣が寄ってきてみんなに迷惑をかけるからと、蒼穹園を離れる決断を迫られていた。
 しかしタイミング悪く入れ替わったことで、駆真は在紗の身体で冬香の元から逃げだし、在紗は駆真の身体で槙奈に連れていかれ、騎士団に復隊することに。
 その顛末を、在紗が騎士団に誘拐されたものだと勘違いした冬香は、騎士団に単身で殴り込みをかけるのであった。



――感想――

 文章は三人称。
 内容は殆どシリアスでした。笑える場面もあったのですが、笑っていいのか今回は困る感じです。
 駆真と冬香のぶつかり合いは本当に真剣で、在紗に対する想いや冬香の悲壮な決意が、読んでいてヒシヒシと伝わってきました。
 いやしかし、今までのギャグがシリアスの前振りになるとは思いもよりませんでした。
 急にキリッとされて、かなり戸惑いましたが、内容は満足です。

 属性:世界は姪を中心に回れ・シリアスがギャグを上回っただと!?

 見所:駆真と冬香のガチバトル

 キャラクターのポイント:本当に在紗が好きだった駆真
 
 面白くなってきたページ数:39p

 どんな人にオススメ?:シリーズものなので初めから読みましょう
posted by N.OF at 01:02| Comment(0) | 富士見ファンタジア文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする